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部会/研究会・活動レポート

CSR部会 CSR現地研修 「二宮尊徳に学ぶ」<2016/10/19>

 いつまでも企業の不祥事が絶えない。「経済なき道徳は戯言,道徳なき経済は罪悪」二宮尊徳が言ったとされるこの言葉こそ,今の課題を解決するカギだ。
経営倫理実践研究センターCSR部会有志は,日本経営倫理学会CSR研究部会有志と共に,10月19日(水)CSR現地研修として小田原にある二宮尊徳の生家,記念館および報徳博物館を見学した。
今回のCSR現地研修は,2014年の「三方よしに学ぶ」(滋賀県彦根市訪問), 2015年「渋澤栄一に学ぶ」(埼玉県深谷市訪問)に続く第三弾にあたる。

 今回の現地研修は二宮尊徳を題材に取り上げたものである。二宮尊徳というと、誰もが小学校の校庭で、薪(まき)を背負いながら本を読んで勉強する少年の像を思い浮かべる。しかしながら、この尊徳がいつ頃、どのような分野で、どのように活躍したのかについては、意外に知られていない。

 尊徳は、1787年に小田原市郊外の裕福な農家に生まれた。5歳の時、大災害で一家の田畑を失う。14歳で父を、16歳で母を失い、伯父に引き取られた。伯父の家では、アブラナの種を蒔いて油を採取したり、捨てられた稲苗から1俵のコメを収穫したり、自らの努力をコツコツと積み重ねることで必ず成果が得られるという「積小為大」の教訓を得る。そして、必死の努力の末、20歳で自分の家を再興した。

 その後、尊徳は、小田原藩の家老・服部家でさまざまな倹約を提案して財政再建に貢献する。ここでの貢献が認められると、小田原藩に仕えることになる。小田原藩においては多くの餓死者を出した天保の飢饉に対し、粟栽培や堤防建設の指導などを行い藩の苦境を見事に乗り切っていく。これらの成果が伝わりさらに、烏山藩、下館藩、相馬藩など他の藩からの要請も受けるなど、農業経営の分野で数多くの成果を上げていった。

 この尊徳の指導する復興事業は、人間の欲を認めながらも、周りとたくみに思いを調和させ、心もお金も同時に豊かに育むという「報徳」思想に支えられている。「報徳」思想は、農村救済の枠を越えて幅広い分野に浸透し,渋沢栄一、安田善次郎、豊田佐吉、松下幸之助、土光敏夫をはじめとする、多くの経済人たちにも多大な影響を与え、今も脈々と息づいていると思われる。 二宮尊徳の「報徳」思想から現代の経営の在り方を学び、企業の持続可能な発展に如何に生かすかが,今回のCSR現地研修の参加者,ならびに関係者の課題となるのではないか。

以上


社会貢献活動研究会 東日本大震災被災地視察―BCBと復興支援を考える―
<2016/11/7~8>

 BERC社会貢献活動研究会では去る11月8日(火)~9日(水)にかけ、被災から5年8か月が経過した東日本大震災の被災地を訪問し、これからの支援の在り方に加え、BCP(事業継続計画)やBCM(事業継続マネジメントシステム)の在り方について意見交換を行いました。
 今回の視察にご協力いただいた企業、団体の皆様には、心からお礼を申し上げます。
 また当時の生々しい体験談を通して、それぞれの場での適切な判断力の重要性、日ごろからのBCP作成や訓練実施等の重要性を改めて実感する視察となりました。
 今回の視察先とその概要について以下に記載いたしましたのでご一読ください。

行程1.東洋製罐株式会社仙台工場:当日は同工場の倉持工場長をはじめ4名の皆様に被災当時の実際を多くのスライドやDVDを使い、工場における避難準備から実際の避難開始に至る各現場の実態を克明にお話しいただきました。当工場は全体に津波被害を受けたにもかかわらず、全従業員が無事に避難を完了したことにまず参加者全員が敬意を表しました。その後の工場の操業再開(最短は7月再開)への進め方や、生産再開への製品ごとの順序立に対する考え方など、興味深くかつ大変高度な判断と計画に基づいて実施されたことに感心させられた次第です。
行程2.昼食:石巻の被災地にある仮設商店街の食堂で昼食、復興工事関係者など多くの利用者によるにぎわいを肌で感じました。東京オリンピックの工事が本格化すると、この復興工事や仮設食堂などがどのようになるのか、やや複雑な気持ちもいたしました。
行程3.大川小学校跡地訪問:先般の裁判結果直後だけにこれまた複雑な思いで当地を訪問しました。まず初めてこの場に立った私は、もし自分だったらどのように判断を下したのかをつくづく考えさせられました。一見山の中の学校のイメージで、「海岸から5Km以上離れているとのことで、ここに津波が来るのか?」と素直に感じている自分がいたことは事実でした。
行程4.神割崎・南三陸町防災庁舎・さんさん商店街等見学:時間の関係もあり、これらは簡単な見学にとどめました。
行程5.山内鮮魚店新工場見学:同社山内社長による被災時の経験談を、資料を元に克明に説明頂き、またその後の地域復興の中心としての活動、さらには自社における最新設備を配した工場の見学をさせて頂きました。山内鮮魚店はその名前からはやや想像しにくいのですが、現在7つの事業場を保有し、様々な加工製品を製造・販売されています。山内社長は震災当日、過去の(小学校5年)チリ地震津波の経験を踏まえ、複数の事業場を回り、全従業員を避難させた後、自らも無事避難したとのことでした。当時南三陸の震度は6、津波の高さは最大19.3mとのことでした。参加者が皆感心したのは、いち早く"ぼうさい朝市ネットワーク"なる、地域活性化型ビジネスモデルを構築し、街を上げて実践、全国の津々浦々の商店街、商店経営者との幅広い連携という人脈と相互支援の強さでした。
行程6.南三陸ホテル観洋宿泊:同ホテルの女将阿部憲子様より、被災時の状況、その後の施設の提供による避難者用仮設住宅としての活用、また旅行者への語り部としての活動について熱い思いを聞かせて頂きました。
行程7.NPO法人底上げ訪問:2日目の行程支所は、気仙沼市を中心に活躍する"NPO法人底上げ"の訪問でした。同法人理事で気仙沼事務局長の成宮崇史氏、同三陸スタッフの野田篤秀氏とともに、現在気仙沼市と連携したプロジェクト活動全般についてお話を伺い、意見交換の時を持ちました。今後の支援の在り方について考えるいくつかのヒントを頂きました。
行程8.陸前高田一本松訪問:いわゆる陸前高田の一本松の見学にとどまらず、当地で活躍されたボランティアから、現在はいわゆる語り部として活躍をつづける一般社団法人マルゴト陸前高田理事の伊藤雅人チーフコーディネーターのご厚意で、当地に記念施設として同じく残されることとなった当時の道の駅"タピック"を見学、市の特別許可のもと通常は立ち入りが禁止されている同施設の最上部(津波ではここで3名が2日二晩の避難ののち救出)にまでご案内いただき、当時のままに残る爪痕の大きさを改めて肌で感じました。
行程9.ひまわりハウス訪問:今回の視察研修企画の中心となって準備をお願いした鈴木氏の所属会社NECネッツエスアイ株式会社様が運営される"ひまわりハウス"で現在までの活動概要をご説明頂き、今後の被災地支援の在り方を含め今回の視察の総まとめを実施大変有意義な時間を持ちました。
紙面では語り切れない多くの収穫を得た今回の企画の一端をご紹介いたしました。

(K記)


関西部会 松下幸之助歴史館・歴史未来館見学<2016/10/13>

10月度の関西部会はパナソニック株式会社エコソリューションズ社の協力により「松下幸之助歴史館」とエコソリューションズ社の「歴史未来館」の見学会も兼ねて10月13日(木)に、門真市で行われた。参加者は21名。
 「松下幸之助歴史館」は昭和8年に建設された本社社屋をそのまま復元したとても品格のある建物で、松下幸之助氏の一生とパナソニックの歩みがとてもわかりやすく展示してある。中でも肉声と映像とで氏の経営哲学を聞くことができたことには感激。また、昭和30年代の「三種の神器」を牽引したパナソニック製品を見て何とも言えない懐かしさを感じた。(写真は歴史館入口)
 その後エコソリューションズ社の「歴史未来館」の見学に移る。この施設は、会社の歴史を知ることの大切さを説いた氏の言葉を元にしていて、パナソニックの従業員向けとのことである。(写真は歴史未来館入口にある松下幸之助の言葉が書かれたパネル)
最後に場所を移し、エコソリューションズ社法務グループの中川さんと北村さんにより同社のコンプライアンス活動の説明があった。質疑応答に熱が入り、予定を30分ほど超過して散会となった。



社会貢献活動研究会「東洋製罐グループHD訪問」<2016/07/12>

7月12日BERCの社会貢献活動研究会が、会員の東洋製罐グループホールディングス株式会社の本社(五反田)にて開催され、多くの会員が参加しました。第一部では同社の"容器文化ミュージアム"と"イノベーションギャラリー"を見学し、同社グループの製品群や、容器包装の歴史などを学習しました。

その後ビルの周囲のグリーンスペースを散策しました。自然の草花、鳥のさえずり・・・中にはバードバス(小鳥のお風呂)もあり、とてもゆったりしたオープンスペースに皆感心しきりでした。参加メンバーには、見学会で見た製品や展示物またビルのコンセプトから同社が行う社会貢献活動についての提言を行うという課題が設定されていたため、そのまなざしは真剣そのものでした。

続く第2部では、小山上席研究員のアドバイスを受けながら、第一部の見学会で見聞きしたことをベースに、参加者それぞれが考える社会貢献活動のあり方や具体的な施策について、意見交換が行われました。ここでは参加者一人ひとりが、活動プランのアイディア出しを行ったのですが、それぞれのアイディアの抱負さに、相互に大きな刺激を受けたようです。会場を提供頂いた東洋製罐グループの皆様にとっても従来自分たちが気づいていなかった点や、気づいても踏み出せていなかったプランの展開の仕方など、大いに役立ったことでしょう。

2部の最後には、去る7月8日(金)に実施された聖光学院生徒会と社会貢献研究会のミーティングについての報告がありました。各社の社会貢献活動と聖光学院生徒会のそれとのコラボレーションの可能性に関する提案のいくつかが紹介され、また今後各社から提案があった場合には、BERC事務局でとりまとめるなど、同校との窓口となることが報告されました。次回8月22日(月)は夏期特別編として「各社の社会貢献活動を考える」をテーマに荏原製作所で開催されます。
第3部懇親会は同社14階社員食堂横の特別スペースをお借りし、"缶詰パーティー"を実施、十数種の缶詰やその他のオードブルなどもご準備頂き、会費以上の飲食を実感した後、各々家路につきました。   <K記>


関西部会 グンゼ記念館・博物苑見学会開催<2015/10/27>

10月度の関西部会は10月27日(火)に、グンゼ創業の地で登記上の本店のある京都府綾部市で行われた。参加者は15名。
昭和8年に建設された味わいのある事務所で、同社CSR推進室の林さんと安田さんからグンゼグループのCSR活動について説明があった。会社設立の経緯に触れられ、現在のCSR活動の原点は創業の精神にあること、また現在のCSR活動の詳細と今後の課題について懇切丁寧に紹介があった。事務所内の貴賓室、現在も毎日朝礼に使われている講堂などを拝見し、グンゼ記念館の見学に移る。

  グンゼ博物苑長の金野氏ご説明のもと展示物に目を凝らす。1896年(明治29年)の創業時から現在に至るまでのグンゼの歴史を語る貴重な品々が並ぶ。特に創業者の波多野鶴吉氏の人となり、人づくり・教育を大切にしてきたことなどを示す資料は、さきほどのプレゼンを裏付けて余りある。その後、道を隔てたグンゼ博物苑に移動する。創業時の蚕糸業の様子を示す歴史蔵、ファッションの移り変わり紹介とグンゼ製品の展示があるファッション蔵を見学し、最後に敷地内のバラ園を散策し、散会した。



CSR部会 帝国データバンク史料館見学会開催<2015/10/21>

 今年度5回目のCSR部会は、現場研修として、10月21日(水)に新宿区本塩町の帝国データバンク史料館にて開催された。参加者は約30名。
見学に先立ち、帝国データバンクの創業者である後藤武夫氏の足跡が映像で紹介された。常設展は、信用調査活動の草創期から現在に至るまでの貴重な資料が時系列に並んでおり、館長の高津隆氏にそれぞれ丁寧に説明いただいた。中には1934年発行の全国金満家番附(平たく言うと長者番付)の展示があったりで興味深い。

約1時間の見学の後は、高津館長による「消える会社、生き残る会社?100年続く企業の条件とは 企業ミュージアムは、社会とともに?」という講演。日本は、明治末までに創業した企業が現在2万4,574社もあるという老舗大国だとの説明があり、うち3社の老舗企業からのメッセージが映像で紹介された。また、この史料館のような企業ミュージアムが全国に612館あるとの説明があり、企業ミュージアムの社会の中での存在意義が熱く語られた。
CSR部会は、各企業共通テーマの研究を今回の現場研修を最後にして、次回からは参加企業の事例紹介に移る。



経営倫理とダイバーシティ・マネジメント研究会はじまる<2015/9/17>

 今期新設された「経営倫理とダイバーシティ・マネジメント研究会」の第一回目が、9月17日(木)に行われた。アドバイザーは村松邦子主任研究員。これから来年2月まで計6回の開催が予定されている。ダイバーシティのテーマの一つである女性活躍推進について、その必要性が求められている環境下、初回の26名の参加者のうち20名が女性であり、今までのBERCの部会・研究会と比べると異彩を放っている。また、コンプライアンス部門、CSR部門に所属している方もおられるが、人材開発部門の方も参加され、BERCの研究会・部会には初参加という方も多い。参加者の自己紹介が行われた。お子様を持ちながら職場で活躍されている方も多く、様々なコンフリクトを克服されてきた経験などを意見交換し、あるべきダイバーシティ・マネジメントの実践につなげていくことを期待したい。


社会貢献活動研究会 夏期特別研究会<2015/8/19>

8月19日(水)午後、横浜は関内にある『KGU関東メディアセンター(関東学院)』において、社会貢献研究会の"夏季特別研究会"が開催されました。
当日は担当アドバイザーの小山嚴也上席研究員(関東学院大学副学長)から、最近とみに優秀大学への高進学率を誇る一方で、多くの企業との連携を進めておられる、「聖光学院中学校・高等学校 工藤誠一校長」、「洗足学園中学校・高等学校 前田隆芳校長」の紹介があり、それぞれの学校での教育への姿勢や、広い意味における社会教育推進の為の企業とのコラボレーションの実態や今後の可能性についてお話を頂きました。

たくさんの質疑応答に加え、その後開催された横浜中華街での、先生方と文字通り膝を交えた意見交換で、各会員企業のメンバーからは、中学・高校での取り組みへの感嘆の声も含め熱い議論や今後の協働・連携に向けた率直な意見交換が行われました。





社会貢献活動研究会「創エネハウス見学会」<2015/7/14>

7月14日(火)この日の社会貢献活動研究会は、横浜市港北区大曾根にあるJX日鉱日石エネルギー様の "創エネハウス"にて開催されました。 次世代を目指す"創エネの取組み"について実物の見学を含み(写真)とても有益な説明と、意見交換が行われました。 当日は、研究会メンバーのほか『独立行政法人環境再生保全機構』のメンバーも活動紹介、協働の提案で参加。企業とNPOをつなぐ提案も行われ、新たな『絆』が誕生しました。





CSV研究会レポート
  今年度新規、10月スタート、事例紹介など

 実践研究プログラムで今年度新しくCSV(共通価値の創造)研究会が設けられ、10月にスタート。担当はBERC上席研究員の吉田邦雄氏と同主任研究員の星野邦夫氏。

 11月に開かれた今年度2回目の研究会では、最初に事例発表としてユニリーバ・ジャパン・ホールディングスのヘッドオブコミュニケーションの伊藤征慶氏が、ユニリーバ・グループのCSVの実践事例を説明。
 同グループは日用品、食品のメーカーで世界190カ国に広がる多数のブランド群を抱える。1884年、イギリスで創業した石けんメーカーが始まり。
 現在、ユニリーバ・サステナブル・リビング・プランと題し、売上を増やしながら、10億人がすこやかな暮らしができるようサポートする、などの課題に取り組む。
 その具体策の一つとして、インドの衛生状態の改善のため、使い切りの石けんを開発・販売。その販路のため、農村の女性を個人事業主に育て、訪問販売などを促している。地域の経済発展の支援にも結び付けている。
 ほかに、環境負荷の削減のため、生態系を崩さない農業による原料調達なども推進。
 こうした取り組みを社内に浸透する方策について、伊藤氏は「機会あるごとに社内に語りかけたり、グループ内向けにCEOが紹介する取り組みの中にも、必ず入れるようにしている」と話した。
 次は、伊藤園常務執行役員CSR推進部長の笹谷秀光氏が、社内で手掛ける中で自身でまとめたCSVや、CSRに教育という要素を加えたESD(持続可能な開発のための教育)の、解釈や方法論を紹介。
 CSVは共感を呼ぶ、ストーリー性、持続性が重要、と笹谷氏。例えば、伊藤園ではペットボトルのラベルで、新俳句大賞に選ばれた句などを紹介。もとは奧の細道300周年と同社の製品との発売が重なった、というストーリーがある。大勢の目に触れて共感を集めるとともに、長く続けることで、俳句文化の振興や学校教育への活用などにつなげている。
 さらに、日本の伝統には売り手、買い手、世間に配慮する「三方よし」という考え方がある。ただし、三方よしに信頼性ある発信を加えることで、ハイブリッドの日本型CSVができる、などと強調。
 続いて5人ずつに分かれてのグループ・ディスカッション、質疑応答。
最後にファシリテーターのクレアンコンサルタントの水上武彦氏が講評「CSR部門でCSVの大切さを訴えるには、まずトップの啓発から始めるのがよいだろう。経営にメリットがあることなどを伝え、社長インタビューなどでCSVについて語ってもらう、というのも一策」などと述べた


社会貢献活動研究会が横浜で現場研修講座
― 横浜市立盲特別支援学校でゴールボール活動など体験

 社会貢献活動研究会(担当、小山嚴也・関東学院大学教授)の現場研修講座が5月13日、開かれた。今回のテーマは「視覚障がい理解と、パラリンピック競技の体験」で、横浜市立盲特別支援学校(星野勉校長)で開かれた。
当日は午後2時から約3時間にわたって授業参観、部活動体験などをした。はじめに、星野校長による学校運営や授業説明があり、視覚障害者への理解と進路・ヘルスキーパーなどについての解説もあった。タブレット端末などICT(情報通信技術)を使った授業も見学した。部活動体験では、パラリンピックの正式競技であるゴールボールをはじめ、グラウンドソフトボール、サウンドテーブルテニス、フロアバレーなどの体験をした。トレパンや運動靴持参の参加者もおり、グラウンドで各種競技を体験した。


技術の向上で、利用効果が高まる ― SNS研究会で石川氏

 2014年度に新設された研究会の一つ、SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)研究会は4月から9月まで8月を除き毎月開催される。
 担当は株式会社JSOLの石川晃ITコンサルティング事業部企画課長。13年5月にも、BERCの時局セミナーで「SNSの概要と企業活動における利活用について」をテーマに講師を務めた。
 同研究会の第1回目は4月「ITと情報セキュリティー」などをテーマに実施。5月8日に開催された第2回目は、まず「IT環境の変遷とリスクの変遷」を概観。情報を取り扱う環境が紙媒体、パソコン、インターネット、携帯端末、SNSと変化してきた中、リスクも変容してきたことを振り返った。
 その中で、2010年以降のIT環境の特徴として、第1にクラウド活用の本格化、第2にネットと実店舗で販促活動などを連携させるO2O(Online to Offline) の取り組みの加速を挙げた。三つ目の特徴として、従業員が個人所有のスマホなどの携帯用機器を業務で使用するBYOD(Bring Your Own Device)があり、米国などでは進んでいるが、セキュリティー対策などで企業の統制が効きにくい、といった問題もある、と述べた。
 SNSについては「ソーシャルメディアのうち、人と人との双方向のつながりを促進・サポートする会員制サービス、またはそういうサービスを提供するウェブサイト」と定義。
 後半はSNSの企業の利活用について、具体的な事例を紹介。
社内またはグループ内で独自のSNSを立ち上げ、コミュニケーションや情報共有の場などに活かしている例、出産などで退職した女性社員が登録し、情報交換や人材募集などに利用している例などを示した。
 売上アップにつなげて、広く注目されている事例として、大手コンビニエンスストアの取り組みにも触れた。18のソーシャルメディアに、公式キャラクターを主人公にして情報を発信し、店舗での各種キャンペーンなどに集客している、という。
 またツイッターで"ささやかれている"大量の言葉から特定の言葉を収集して分析し、自社のリスクを評価したり、新商品の開発に活かす手法も解説した。
 石川氏は、企業のSNS利用が増加していることを踏まえ「業務上の効果が数字に表れにくい、という課題はあるものの、SNSが浸透し、利用のテクニックも向上しているので、年々、利用の効果を感じる企業が増えているようだ」と語った。


 SNS研究会を担当する石川晃氏=5月の研究会、BERCセミナー室で


第三者委員会などをテーマに ― 社外との協働研究会スタート

 2014年度に新設された研究会の一つ、社外との協働研究会が4月18日、スタートした。担当は日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任顧問の古谷由紀子氏。9月まで8月を除いて5回開催の予定。
 第1回はまず、参加者の自己紹介に続いて、古谷氏が自己紹介と研究会の狙いなどを説明。「企業のCSRなどの取り組みで、消費者団体の代表として参加することが多いが、企業が社外の団体との関わり方が上手でない、と感ずることがある。この研究会を通じ、外部の団体との関係のつくり方や、変化しているNPOの動向なども紹介できれば、と考えている」と述べた。
 続いて、この日のテーマの一つ目「社外との協働とは」について。古谷氏は「協働はエンゲージメントのことで、一緒にやる、ということ。コミュニケーションより踏み込んだ関係」と解説。また「消費者の声を聴く、ということはよく言われるが、消費者団体の声も聴くべき。専門的な問題意識をもち、海外の動向なども分かっていてメリットは大きい」などと話した。
 協働が企業にとって必要な例として、昨年相次いだ食材偽装表示の問題を挙げた。「表示は企業にとって、いわば"宣伝"だが、消費者にとっては"選択の目安"で、偽装は、選択の権利を脅かしたことになる。謝罪会見で、そのことを理解していた企業はなかった。こうした企業だけでは分かりにくいリスクや問題点が、協働により見えてくる」と語った。
 後半は「企業の不祥事と第三者委員会」について。2007年から11年までの5年間で企業が第三者委員会を設置したのは127社132事例と多く、うち3分の1は上場廃止になっている。
 古谷氏は「委員会で大切なのはまずメンバー」という。「不祥事はコンプライアンスに関わるので、一般に弁護士が多いが、全員が弁護士である必要はない。利害関係のある人が入らないと、原因究明にならないのではないか」と問いかける。「企業にとって第三者委設置が必要な時はいきなり来る。日ごろ、ステークホルダーとネットワークを築いておかなければならない。いざという時"この人なら、直面する問題で、組織のために公正で的確な判断をしてもらえる"人々を把握しておくことが必要」とも。
 さらに「第三者委員会の設置は、やらないに越したことはないが、もし必要になったら、しかるべきメンバー、しかるべきタイミングで、ある種の覚悟をもってやることが大切」と強調した。


社外との協働研究会第1回目で、研究会の狙いを語る古谷由紀子氏


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