トップ  >  実践経営倫理塾 『東日本大震災からの教訓:新しい事業継続計画(BCP)とは?』 第?章.新しい事業継続計画(BCP)策定上の留意点
実践経営倫理塾 『東日本大震災からの教訓:新しい事業継続計画(BCP)とは?』

『従来のBCPがあまり役に立たなかった理由』

上席研究員 吉田 邦雄 

第?章.新しい事業継続計画(BCP)策定上の留意点

?.内閣府「事業継続ガイドライン」(注4)

内閣府は、次のような「事業継続ガイドライン」を公表し、推奨しているため、以下主要部分を抜粋紹介すると ともに、本ガイドラインを参考とした新BCP策定上の留意点に言及する。

1.事業継続の取組み

企業は、災害や事故で被害を受けても、取引先等の利害関係者から、重要業務が中断しないこと、中断しても可能な限り短い期間で再開することが望まれている。また、事業継続は企業自らにとっても、重要業務中断に伴う顧客の他社への流出、マーケットシェアの低下、企業評価の低下などから企業を守る経営レベルの戦略的課題と位置づけられる。
この事業継続を追求する計画を「事業継続計画」(BCP:Business Continuity Plan)と呼び、内容としては、バックアップのシステムやオフィスの確保、即応した要員の確保、迅速な安否確認などが典型である。それらは、事業内容や企業規模に応じた取組みでよく、多額の出費を伴わずとも一定の対応は可能なことから、すべての企業に相応した取組みが望まれている。
この事業継続の取組みは欧米が先行しているといえる。その内容は、従来のわが国企業の一般的な防災対策とかなりの部分で重なるものの、中心的な発想やアプローチが異なると見た方がよいと思われる部分もある。したがって、この分野で既に先進的な企業は別として、まず一度、自社の防災の取組みが事業継続の考え方に合致するか慎重に見直すことを推奨する。

事業継続計画」(BCP)の概念図

2.本ガイドラインの位置付け

本ガイドラインは、大企業、中堅・中小企業までを対象に、災害に係る事前対応と事業継続の対策を進めるために必要な共通的かつ基本的な項目をあげることを目指したものである。しかし、強制的な規格として定める意図ではもちろんなく、各項目の実施は任意である。したがって、各項目は、各企業の立地条件、社風、体力 等に合わせて取捨選択されてよい。
本ガイドラインは、はじめから完璧な事業継続計画の策定・実施を求めるものではない。まず、それぞれの企業ができるところから着手し、継続的な取組みによって徐々に災害に強い体制を築いていくことを期待している。一般的に計画や対策を発展・定着させるためには、継続的な取組みが有効である。
継続的改善とは、下図に示すように、?経営者が方針を立て、?計画を立案し、?日常業務として実施・運用し、?従業員の教育・訓練を行い、?結果を点検・是正し、?経営層が見直すことを繰り返すものである。
この種のマネジメントシステムのメリットは、本ガイドラインにもあるように経営者が関与すること、企業が比較的苦手な自己評価や振返りのステップを定期的な活動に組み入れることで対策の定着を図れること、教育・訓練を重視した人づくりが可能となることなどがあげられる。

以下項目毎にガイドラインの概要とBCP策定上の留意点を述べたい。

(注4) 出典:2009年11月内閣府 事業継続計画策定促進方策に関する検討会 『事業継続ガイドライン第二版』

次ページに続く


一般社団法人 経営倫理実践研究センター 〒107-0052 港区赤坂1-1-12明産溜池8F TEL 03(6441)0640 FAX 03(6441)0641
Copyright(C) BERC 2009-2015 All Rights Reserved. Supported by bizknowledge