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2013-02-26 |  アドバイザーコラム

第3回 日本におけるエシカル・リーダーシップの意義

1.倫理的発達段階と個人倫理の醸成

 日本企業の多くは、企業倫理・コンプライアンス推進体制を整備し、より実効性のある制度運用や組織風土の改善へと活動を進めています。その中で課題の一つとしてあげられるのが、「個人倫理の醸成」です。企業の倫理体質の強化を支えるのは、まさに従業員一人ひとりであるからです。

 前回、倫理力を高める教育研修の指標として、「倫理的な認識」、「倫理的な思考」、「倫理的行動」、「倫理的リーダーシップ」からなる「倫理的な発達段階」をご紹介しました。「個人倫理の醸成」とは、倫理的リーダーシップを発揮すること。すなわち「肩書や役割に関わらず、組織の構成員一人ひとりが倫理的な判断軸を持って自律的に行動し、他者に影響を与えること」を目指す段階に入っているのではないでしょうか。

2.リーダーシップで創る倫理的企業文化

 リーダーシップというと、経営者や管理職が持つものというイメージがありますが、現在のリーダーシップ論においては、組織の一員であれば地位や肩書に関係なく誰でもが持っているもの。そして、トレーニングによって「さまざまな立場でリーダーシップを発揮することができるようになる」という行動論が主流になっています。エシカル・リーダーシップの育成においても、職場で求められる役割によって行動は異なるかもしれませんが、最終的には全員が倫理的な影響を与え合い倫理的企業文化を醸成していくことが目標になるでしょう。

 そのためにはまず、自組織においての倫理的な行動規範を示し、従業員一人ひとりがどのように仕事に向き合えばよいか、当事者意識を持って振り返ることが必要です。例えば、下記のようなチェックリストを活用してはいかがでしょうか。

3. 問いからはじめるエシカル・リーダーシップ

<エシカル・リーダーシップ チェックリスト>

あなたは

・倫理観高く働いていますか?
・メンバーに対し公平かつ敬意をもって接していますか?
・自ら模範を示すことによりリーダーシップを発揮していますか?
・倫理文化を強化していくことが、自らの責任であると考えていますか?
・反倫理的な行為が組織内で発見されたとき、それが決して容認されたり
  無視されたりすることがないよう留意していますか?
・チームワークを大切にしていますか?
・誠実な話し合いと問題解決を促していますか?
・「倫理的ジレンマ」について自由に話し合える職場環境を支援していますか?
・メンバーが反倫理的な妥協をしたり、不適切な近道をとったりする誘惑を
  感じることがないような目標や計画を設定していますか?
・メンバーに信頼され尊敬されていますか?

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