BERC:一般社団法人 経営倫理実践研究センター

第24回BEO昼食懇話会 2016/11/16

「コンプライアンスの取り組みがなぜ実をむすばないのか」郷原信郎氏が講演

 経営倫理実践研究センターでは、毎年春と秋の2回、会員企業の経営倫理担当役員(BEO)の昼食懇話会を実施している。第24回BEO昼食懇話会は2016年11月16日、郷原信郎弁護士を講師に招き、東京都港区の国際文化会館で開催された。  講演のテーマは「コンプライアンスの取り組みがなぜ実をむすばないのか」。
最初に郷原氏は自身のブログ「小池都知事『豊洲市場問題対応』をコンプライアンス的に考える」に触れ、小池都知事の発言はコンプライアンス的には正しいと思うが、安全性の問題、消費者・利用者等の安心の問題と離れて、情報公開の問題という一つの視点が移転の遅れになっているということ、これが「コンプライアンス」の恐ろしさであり、柔軟かつ多角的な視点と時間軸を考慮に入れるべきだと述べた。
 その後本題に入り、まず企業は不祥事にどう向き合うべきかというのが導入部分。郷原氏は事業全体を「環境変化への適応」の観点から見直すことが、コンプライアンスの実質化につながるという。事業はクルマのエンジン、コンプライアンスはブレーキととらえる向きもあるが、本来コンプライアンスはヘッドライトであり、ワイパーであるべき・・・という言葉が印象的であった。また、「平時」から「有事」への転換点での危機対応に失敗して、受けなくともいい批判を浴びている企業がいかに多いかと述べ、危機対応の強化の必要性を強調した。また組織内で潜在化している問題を把握するのには、内部監査や内部通報には限界があるという説明が続く。

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