BERC:一般社団法人 経営倫理実践研究センター

第26回BEO昼食懇話会 2018/05/16

「企業不祥事 内部統制が機能しない3つの背景」浜田 康氏が講演

経営倫理実践研究センターでは、毎年春と秋の2回、会員企業の経営倫理担当役員(BEO;Business Ethics Officer)を招き、昼食懇話会を行っている。第26回BEO昼食懇話会は2018年5月16日、証券取引等監視委員会の委員で公認会計士の浜田康先生を講師にお迎えして、東京都港区の国際文化会館で開催された。
はじめに、経営倫理実践研究センター上野理事長(中外製薬株式会社代表取締役副会長)から開会のあいさつがあった。コンプライアンスに関する先駆的な取組でスタートしたこのセンターが昨年20周年を迎えたが、世の中まだ日本を代表するような企業の不祥事が相次いでいる、浜田先生の、特に大企業で内部統制が機能しない3つの背景というテーマは大変興味深く楽しみに拝聴したいとのこと。
いよいよ浜田氏の講演に入る。はじめに、昨今有力大企業の不祥事を報告・開示という点から、誰が誰に対して何を偽ったかを図表にして示した。こうした事案が横領、脱税、不正なファイナンスといったような悪質な犯罪ではなく、ちょっとした書類上のことなのにという声も現場サイドにはあるかもしれないが、結果としてリコールや取引先の喪失、事業譲渡さらには経営破綻にまでつながってしまうことを指摘する。特に製造業では生産管理の三大要素である、品質、コスト、納期は三位一体であり、どこかで不正が起きれば他の二つに必ず悪影響を及ぼすものだと浜田氏は力説する。例えば達成できないコストを書類上でいじってしまったようなことだと、それは直接的には品質管理の問題ではないという識者の声もあろうが、間接的にボディーブローのように品質管理に効いてくる懸念があるということだ。

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