BERC:一般社団法人 経営倫理実践研究センター

第27回BEO昼食懇話会 2018/11/21

「企業にとっての日本版司法取引制度のポイント」児島 幸良氏が講演

 経営倫理実践研究センターでは、毎年春と秋の2回、会員企業の経営倫理担当役員(BEO;Business Ethics Officer)を招き、昼食懇話会を行っている。第27回BEO昼食懇話会は2018年11月21日、弁護士法人琴平綜合法律事務所のパートナー弁護士である児島幸良先生を講師にお迎えして、東京都港区の国際文化会館で開催された。
はじめに、経営倫理実践研究センター上野理事長(中外製薬株式会社代表取締役副会長)から開会のあいさつがあった。「日本版司法取引制度はこの6月から施行されているが、今週の大きな事案があって、言い方は不謹慎かもしれないが、今日のテーマはとてもタイムリーなものとなったと思う。児島先生に分かりやすく解説いただき、留意すべきリスク管理、コンプライアンス上のポイントをご教示頂きたいと思う。」
 児島氏の講演の冒頭で、「はじめに、今日の配布されているレジュメのサブタイトルに『第一号案件を踏まえて』とあるが、第一の後に『・第二』を加えていただきたい。」すなわち本日の講演は今回話題となっている第二号案件も踏まえて話をしていただけるとのこと。

<大企業にも大きく関係する制度>
 まずは、司法取引が導入された経緯、「司法取引」の概要、「取引」のメニュー、「特定犯罪」のメニューと配布資料に従い、児島氏の説明が続く。日本版「司法取引」のポイントは、諸外国の制度と違い、自分だけの犯罪を自首して取引しようとする「自薦型」ではなく、「他薦型」であるとの説明があった。また検察官側からの申し出を待たずとも、被疑者側から積極的に持ち掛けられる制度とのことである。更に、司法取引の対象となる特定犯罪については、世間では贈収賄や反社会的勢力の関わる薬物犯罪や振り込め詐欺程度という誤解があるが、今回の二号事案での金商法(有報虚偽記載)をはじめ、企業活動に関わるものが多く、一般の大企業にも広くこの制度が関係してくるという警鐘を鳴らした。

<弁護士の選定を考えるべき>

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