「企業不祥事の本質と組織風土改革~組織・職場における心理的安全性、well-beingとは~」
経営倫理実践研究センター(BERC)主催、日本経済団体連合会後援の経営倫理シンポジウム・2022「企業不祥事の本質と組織風土改革~組織・職場における心理的安全性、well-beingとは~」が2023年2月13日(月)に開催された。昨年に続きZoomとYouTubeでの配信となり、約200名の参加者があった。
冒頭、藤原謙理事長から「今回は、企業不祥事と組織風土改革を取り上げた。梅津先生からは、調査委員会での経験をもとに問題のある組織を体質から変えるための鍵は何か、前野先生からは、ネガティブとポジティブな倫理の視点から幸せに働きウェルビーイングな状態になるにはどうあるべきか、本橋先生からは、組織の倫理風土、個人の倫理性、ミーニングフル・ワークの3要素に着目した良い組織づくり実践のための打ち手は何かについて講演いただく。風通しの良い組織づくり、組織風土改革に役立つシンポジウムとなることを期待している」との開会の挨拶があった。
最初の講演は、「企業不祥事と不幸せな働き方」と題して、梅津光弘BERC首席研究員(慶應義塾大学教授)が行った。
梅津先生は、いくつかの企業の不祥事、品質不適合事案の調査委員会での経験から色々な現場を見て回る機会があり、なぜこのような事案が発生するのかと疑問を呈する。問題を起こす・・・
次に「志向倫理とウェルビーイング」と題して、慶應義塾大学大学院の前野隆司教授から講演があった。
前野先生は、先ず、倫理学とはモラルの学問、"べき"の学問であると示す。その上で、今の企業倫理では"何かをすべきでない"という予防倫理に重点が置かれていたものになっていると指摘する。しかし、良い社会・・・
最後の講演は「組織の倫理風土とミーニングフル・ワーク(仕事の意味深さ)」と題して、産業能率大学の本橋潤子准教授が行った。
先ず、3つの要素として、①組織の倫理風土、②個人の倫理性、③ミーニングフル・ワーク(仕事の意味深さ)とは何か、それぞれの概念を説明した。
組織の倫理風土に・・・
講演ののち、パネル形式で質疑応答セッションが行われ、事前にいただいた質問に加え講演中の質問にも答えた。以下に質問と回答の要約を記す。 Q1・・・