コンプライアンス担当者の為の法令研究会「クライシス・シミュレーション・トレーニング」
2026年1月16日(金)コンプライアンス担当者の為の法令研究会「クライシス・シミュレーション・トレーニング」が東京駅前の関西大学東京センターにて開催されました。その様子は通常、会員の方にレポートしていただくのですが、今回は特別編として、後述する4名の方の感想とともに、私岡野がレポートします。
クライシス・シミュレーション・トレーニング(通称クラトレ)は、企業が大規模な危機(不祥事、災害、事故など)に直面したという想定のもと、架空のシナリオで訓練を行い、危機管理能力と対応力を実践的に高めるトレーニングのことを言います。
BERCでは、本研究会の集大成として、毎年度の最終回に実施していますが、クラトレの日には本物の危機が起こることが定説で、15年前の3月11日、私が企業時代に社長役を拝命した時にも、東北大震災が起きましたが、今年も山手線、京浜東北線が朝から運休と言う危機に直面しました。元々リアル参加のみで開催予定だったところ、急遽リモート併用としましたが、蓋を開けてみると会場には、交通の大混乱の中、42名の方が駆けつけていただき、リモート参加の3名と合わせて45名という大人数になりました。
今年の髙野先生が用意したシナリオは、生命保険会社が業務を委託した先で、生命保険の契約者情報が大量に漏えいした可能性があるというものでした。参加者は、生命保険会社の社員、委託先会社の社員、委託先会社の持株会社(ホールディングス)の社員に扮し、初動対応、危機対策本部での検討といったトレーニングを進めていきましたが、その途中に、髙野先生が用意した企業にとって好ましくない新事実が次々と明かされ、参加者はその都度、軌道修正を迫られるという本番さながらのトレーニングが展開されました。
毎年12月の研究会で前提シナリオが提示され、社長役他役割も決定し、それ以降当日までは、各会社のメンバーが集まって、想定される事態にどう対応するか検討し、準備するのですが、今年はこれまでになく熱心にみなさん準備されており、当日のクラトレもその熱がそのまま反映された熱気あふれたものとなりました。
最後は、記者会見で、生命保険会社の社長以下3名の社長が、記者から厳しい追及を受け、それにどう答えるか、という場面でクラトレは終了となりました。その後、外部専門家から、特に記者会見の対応についてのご講評をいただきました。
トレーニング後の懇親会では、30名を超える方々が残って、互いの労を労いながら、クラトレの振り返りがいつまでも続いたそうです(私は所用で残念ながら参加できず)。
今回のクラトレで得られたものは、危機対応のノウハウはもちろんですが、危機を乗り越えるために共に苦労した仲間との強い絆ではなかったでしょうか。社外の方々と、ここまで深い関係性を築ける機会はなかなかありませんので、今回限りではなく、これからも仕事のうえで何か困難にぶつかったときには、相談できる仲間としての関係性を続けてくれれば、BERC事務局長としても本望です。
それでは、最後に今回最も重責を担った社長役の3名とその社長たちを追求した記者9名の中から代表お一人に感想をいただきます。
皆さんの感想はこちらから
〇生命保険会社社長役
パナソニックホールディングス株式会社 エンタープライズリスクマネジメント室 上條 和紀 氏
〇委託先会社社長役
株式会社TBSホールディングス 法務・コンプライアンス統括局 グループリスクマネジメント室 山本 一雄 氏
〇委託先持株会社社長役
パナソニックホールディングス株式会社 エンタープライズリスクマネジメント室 岡嶋 望 氏
〇記者役
エーザイ株式会社 コンプライアンス推進部 室井 照代 氏